政府・民主党内で消費税を巡る議論が活発化してきた。
鳩山首相は任期中の税率引き上げの封印を宣言しているが、政府内では政権公約(マニフェスト)実現に理解を得るためにも、消費税論議を深めるべきだとの声が強まっている。夏の参院選の公約に盛り込まれるかどうかが焦点だ。
政府内で税率引き上げに積極的なのが、菅財務相と仙谷国家戦略相だ。
財務相は13日の閣議後の記者会見で「マニフェストは入り(歳入)と出(歳出)の両方を含めた約束だ。トータルの中で議論が進む」と述べ、参院選公約では歳入確保策も明記すべきだとの考えを示した。戦略相は「消費税だけではなく、税制改革、歳入改革を掲げて選挙をしなければ国民に甚だ失礼だ。今の税収のままなら、(財政は)大きな壁にぶち当たる」と述べた。さらに、衆院議員の任期満了を待たずに、消費税率引き上げを争点に衆院解散・総選挙に踏み切ることにまで言及し、波紋を広げた。
両閣僚の考えは「財源確保の裏付けもなくマニフェストを実現しようとすれば市場の信頼を失い、国債価格の下落を招き、財政を一層悪化させる」(菅氏周辺)との懸念に基づいている。ただ、両閣僚とも、夏の参院選の公約との関係にまでは踏み込んでいない。
平野官房長官は13日の記者会見で「まだ時期尚早だ」と戦略相の発言の「火消し」に追われたが、政府内では「6月にまとめる中期財政フレームで消費税率引き上げを打ち上げたらいい」と、参院選公約とは別の形で財政再建の道筋を示すべきだとの声も出ている。
これに対し、民主党内では、参院選を控え消費税論議を回避すべきだとの声が多い。高嶋良充参院幹事長は13日の記者会見で「今、消費税論議をするのは、国民に対する裏切り」と訴えた。小沢幹事長も消費税論議の是非を聞かれた12日の記者会見で、マニフェスト修正に関し「半年で基本が変わるのは国民に納得されない」と語った。小沢氏は、2005年に岡田代表(当時、現外相)が明言した消費税率の3%引き上げを、自身が代表に就くと撤回して07年参院選に臨んだだけに、「選挙最優先の小沢氏が参院選前の消費税論議を許すはずがない」(中堅)との見方が強い。
一方、野党は参院選で消費税論議を挑み、民主党の姿勢を「財政軽視」(自民党幹部)と攻める構えだ。
新党「たちあがれ日本」の与謝野馨・元財務相は10日の結党記者会見で「鳩山政権のばらまき政策で、財政はいずれ破綻(はたん)する」と、消費税論議に前向きなところを見せた。自民党の谷垣総裁も「消費税に手を付けず、どういう形でこの4年間財政運営するのか」と鳩山政権を批判している。
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